― 取引トラブルを防ぐために知っておきたい基本知識 ―
はじめに
ビジネスの現場でよく耳にする
「与信管理」と「信用調査」。
似た言葉のため混同されがちですが、実は役割も使うタイミングも異なります。
この2つの違いを正しく理解しておくことで、
- 未回収リスクの軽減
- 安心できる取引判断
- トラブルの予防
につながります。
信用調査とは?
「相手を知る」ための調査
信用調査とは、取引相手が信用できるかどうかを客観的に調べることです。
主に以下のような情報を確認します。
- 会社概要(設立年・資本金・所在地)
- 経営者・役員情報
- 事業内容・取引実績
- 財務状況(売上・利益・負債)
- 支払い状況・過去のトラブル
信用調査を行うタイミング
- 新規取引を始める前
- 高額契約・長期契約の前
- 業務委託・代理店契約時
👉 「この相手と取引して大丈夫か?」を判断するための事前確認が信用調査です。
与信管理とは?
「いくらまで・どう取引するか」を管理する仕組み
与信管理とは、信用調査の結果などをもとに、
取引条件やリスクを継続的に管理することを指します。
具体的には、
- 取引金額の上限(与信限度額)
- 支払い条件(前払い・後払い・分割)
- 取引継続の可否判断
- 支払い遅延時の対応ルール
などを社内で決め、運用し続けることが与信管理です。
与信管理を行うタイミング
- 取引開始後
- 継続取引・掛け取引中
- 相手の状況に変化があったとき
👉 「どう付き合い続けるか」を管理するのが与信管理です。
信用調査と与信管理の違い【比較表】
| 項目 | 信用調査 | 与信管理 |
|---|---|---|
| 目的 | 相手を知る | 取引リスクを管理 |
| タイミング | 取引前が中心 | 取引中・継続的 |
| 内容 | 情報収集・評価 | ルール決定・運用 |
| 性質 | 点(単発) | 線(継続) |
| 主な役割 | 判断材料 | リスクコントロール |
よくある誤解
「信用調査をしたから安心」は危険
信用調査は過去〜現在の情報を確認するものです。
将来の倒産や資金繰り悪化を100%防げるわけではありません。
そのため、
- 信用調査 → 与信管理
- 単発確認 → 継続監視
この流れが重要になります。
中小企業・個人事業主にこそ必要な理由
「うちは小さい会社だから大丈夫」
「取引額が少ないから不要」
そう思われがちですが、一度の未回収が致命傷になるのは中小企業や個人事業主です。
- 小額でも積み重なれば大きな損失
- 知人・紹介案件ほどトラブルになりやすい
- 曖昧なルールが揉め事を生む
だからこそ、
簡易な信用調査+無理のない与信管理が重要です。
まとめ|信用調査と与信管理はセットで考える
- 信用調査=「調べる」
- 与信管理=「決めて守る」
この2つはどちらか一方では不十分です。
信用調査で相手を見極め、
与信管理で取引リスクをコントロールする。
この考え方を身につけることで、
安心して長く続くビジネス関係を築くことができます。
